日経産業新聞(2011年1月6日)にもデータセンター向けイーサネット機器省電力化実験成功の関連記事が掲載されました

日経産業新聞(2011年1月6日)に先日報道発表したデータセンター向けイーサネット機器省電力化実験成功の関連記事が掲載されました。

「データセンター消費電力15%減-慶大が技術 ネット制御して機器オフ-」(2011年1月6日朝刊2面)
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山中研究室では、トラヒック量の変動をモニタリングし、変動に応じて最も省電力なネットワークトポロジーを全自動で実現する、自己組織化省エネルギーネットワークの研究を行っています。今回の実験では、データセンターでの利用が可能な市販イーサネットスイッチと、慶應義塾大学が開発したイーサネットスイッチ(株式会社オールグリーン・ネットワークスより販売中)、省電力化のための計算システムで構成されるネットワークシステムを構築。ネットワーク全体が最も省電力となるようなネットワークトポロジーを自律的に計算し、計算結果に基づいてスイッチポートの電源オン/オフ状態が切り替わり自己組織化するイーサネットの実験に成功しました。
現状のデータセンターでは、常時全てのネットワーク機器に電源が入っているのが一般的であり、トラヒックがほとんど流れないのに電源がオンになっていて必要以上に電力を消費しているケースがあります。今回研究開発した自己組織化省エネルギーネットワークのシステムをデータセンターに適用した場合、トラヒック変動に応じた動的な省電力制御が可能になります。
具体的には、定期的に各ネットワーク機器を流れるトラヒック量をモニタリングし、トラヒック量の少ない時間帯には、最低限のネットワーク機器でデータセンター内のトラヒックが流れるようにネットワークトポロジーを再計算します。そして、計算結果に基づいてネットワーク機器のスイッチポートの中でトラヒックの流れないスイッチポートの電源をオフすることで、ネットワーク全体の消費電力の最適化(自己組織化)を行います。ネットワーク機器の消費電力に関して最大55%程度の削減が見込まれ、ネットワーク機器における消費電力の少なくとも15%程度の省電力化が見込まれます。
本研究活動は総務省の「地球温暖化対策ICTイノベーション推進事業(PREDICT)」プログラムの一環として行われています。