業界情報誌MPP(Microwave Photonics Products) No.37に10Gbpsアクティブ光アクセスシステムに関する特別寄稿が掲載されました

マイクロ波フォトニクス専門の業界情報誌MPP(Microwave Photonics Products)のNo.37(2010年11月25日発行)に、特別寄稿として、日立製作所と山中研究室で研究開発を行った10Gbpsアクティブ光アクセスシステムに関する記事が掲載されました。

MPP No.37(2010年11月25日発行)

従来のFTTH(Fiber To The Home)で用いられているPON(Passive Optical Network)では、光スプリッタで光信号を分配して各家庭にデータを送っているため、通信距離や収容加入者数の制約が生じることが課題となります。日立製作所と慶應義塾大学は、この課題を解決するために、光スイッチを用いたアクティブ光アクセスシステムの研究開発に取り組みました。
光アクセスシステムで要求される10Gbpsの高速通信に対応するために、従来技術より6ケタ高速な10ナノ秒以下での高速スイッチングを実現するPLZT光スイッチを開発し、アクティブ光アクセスシステムの実験システムを構築。実験により、従来のPONの2倍の通信距離40km、4倍の128加入者を収容する環境下、通信事業者側の光回線終端装置と家庭内に設置する光回線端末の間の双方向で10Gbpsの通信を達成しました。
開発したアクティブ光アクセスシステムを従来のPONと並存する形で適材適所に導入することにより、FTTHのより広範な地域(例えば将来の巨大市場となることが予想される中国)への展開や、家庭向け以外の展開(例えば企業内ネットワークの回線収容や無線ネットワークの基地局集線部への適用)が期待できます。
開発したPLZT光スイッチに関しては、エピフォトニクス株式会社に合流し、2009年12月よりPLZT光スイッチサブシステムの外販を行っており、現在アクセスシステムだけではなくメトロネットワークやコアネットワークへの展開も視野に入れ技術開発を進めています。
本研究成果の一部は、独立行政法人情報通信研究機構が進めるフォトニックネットワーク技術に関する研究開発の一環である、「集積化アクティブ光アクセスシステムの研究開発」によって得られました。