M1の岡崎さん、山下さん、B4の芦沢さん、須佐さんがPN研究会に参加しました

M1の岡崎さん、山下さん、B4の芦沢さん、須佐さんが、3月の与那国島で開催されたPN研究会に参加し、発表を行いました。
4人の発表論文は以下の通りです。

********************
タイトル: uGrid におけるダイナミック光パスを用いた映像サービスパーツ選択

著者: 岡崎裕介, 須佐雄輝, 碓井亮太, 荒川豊, 岡本聡, 山中直明

要約: IPv6 への移行が間近となり,ユビキタス社会の実現が間近だとされている.ユビキタス社会ではあらゆるデバイスにIP アドレスが振られ,様々な機器がネットワークに接続することが想定されている.このような背景から,ユビキタスグリッドネットワーキング環境(uGrid) が提案されている.uGrid では,ネットワークに接続したデバイスをサービスパーツと定義し,サービスパーツ同士を組み合わせることによって新たなサービスを実現するネットワーキング環境である.現在の映像配信の代表的な存在としてテレビ放送が挙げられる.しかし,テレビ放送の根本的なシステム構成はテレビ局からのブロードキャストによる配信であり,ユーザはテレビ局側が用意した映像しか視聴することができず,一方向通信による制限がある.そこで,我々は,テレビ放送に替わる映像配信サービスとして,uGrid 環境におけるユーザ主導による次世代の映像配信システムの提案を行っている.本稿では,uGrid における映像配信がリアルタイムかつ安定した映像伝送を必要とすることから,GMPLS を用いた光パスを利用することによる映像サービスパーツ接続を行う映像配信ネットワークを提案する.さらには,提案ネットワークにおける光パスを利用したサービスパーツ間接続のエミュレーションとして,レイヤ2 スイッチを用いたGMPLS によるVLAN パス構築を行い,光パスによるサービスパーツ接続の可能性を示す.

********************
タイトル: 全光ネットワークにおける四光波混合を考慮した分散波長割り当て方式

著者: 山下洋史, 入江一樹, 荒川豊, 岡本聡, 山中直明

要約: 全光ネットワークにおける四光波混合の影響を考慮した分散波長割り当て方式を提案する.提案方式では,送信ノードは経由する各リンクの波長使用状況をもとに使用可能波長を算出し,各使用可能波長から隣接の使用波長との距離を求め,最適波長を求める式を定義することにより,使用する波長の間隔を広く保つように波長を割り当てていく.波長間隔を広く保つことにより,隣接する波長利用を避け,四光波混合の発生を抑制することが可能となる.計算機シミュレーションにより特性評価を行い,提案方式におけるブロック率が理想値に近付いたことを明らかにした.

********************
タイトル: アクティブ光アクセスネットワークにおけるTCPスループットを考慮したパラメータ設計および動的スロット割当

著者: 芦沢國正, 徳橋和将, 菊田洸, 石井大介, 荒川豊, 岡本聡, 山中直明 (慶大)

要約: 我々は,次世代アクセス網として,光スイッチを用いた新たなアクティブ型光アクセスネットワークActiON(Active Optical Network)を提案している.ActiONでは,固定長のスロットと呼ばれる時間単位でデータを送信するため,本論文では,上位TCPへの影響を考慮し,スロット数や送信周期のパラメータ設計を行なう.また,柔軟な帯域割当を実現するために,周期的に割当スロット数を変化させる動的スロット割当方式を提案し,シミュレーションによる評価を行った.

********************
タイトル: uGridにおけるセキュリティを考慮したマルチサービス映像配信ネットワークの提案

著者: 須佐雄輝, 岡崎裕介, 碓井亮太, 荒川豊, 岡本聡, 山中直明

要約: IPv6 に代表されるユビキタス社会の到来により,あらゆるものにIP アドレスが付与され,ネットワークに接続される世界が想定される.近年,上記の想定をもとに,ユビキタスグリッドネットワーキング環境(uGrid) が考えられている.uGrid では,IP アドレスの付与された世界中のあらゆるものをサービスパーツと定義しており,ユーザは,自由にネットワークを介して世界中のサービスパーツから所望のパーツを検索し,各サービスパーツを組み合せることで自らの欲する分散システム,サービス,ワーキング環境を構築する.そこで,本研究では,従来のテレビ視聴のような一方向的な配信システムとは異なり,多様なQoS(Quality of Service) の映像視聴要求に対応が可能となるuGrid サービスとしてのマルチサービス映像配信ネットワークについて提案する.さらに,映像配信における個人プライバシーの保護や,uGrid における家庭用ゲーム機およびCell Broadband Engine (Cell) の増加を考慮し,配信システムの一部分としてPLAYSTATION 3 (PS3) を用いた映像のフィルタリング伝送システムの構築を試みた.それにより,PS3がuGrid における映像配信のサービスパーツとして機能することを確認した.