M1の岡崎さん、山下さん、B4の芦沢さん、須佐さんがPN研究会に参加しました

M1の岡崎さん、山下さん、B4の芦沢さん、須佐さんが、3月の与那国島で開催されたPN研究会に参加し、発表を行いました。
4人の発表論文は以下の通りです。

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タイトル: uGrid におけるダイナミック光パスを用いた映像サービスパーツ選択

著者: 岡崎裕介, 須佐雄輝, 碓井亮太, 荒川豊, 岡本聡, 山中直明

要約: IPv6 への移行が間近となり,ユビキタス社会の実現が間近だとされている.ユビキタス社会ではあらゆるデバイスにIP アドレスが振られ,様々な機器がネットワークに接続することが想定されている.このような背景から,ユビキタスグリッドネットワーキング環境(uGrid) が提案されている.uGrid では,ネットワークに接続したデバイスをサービスパーツと定義し,サービスパーツ同士を組み合わせることによって新たなサービスを実現するネットワーキング環境である.現在の映像配信の代表的な存在としてテレビ放送が挙げられる.しかし,テレビ放送の根本的なシステム構成はテレビ局からのブロードキャストによる配信であり,ユーザはテレビ局側が用意した映像しか視聴することができず,一方向通信による制限がある.そこで,我々は,テレビ放送に替わる映像配信サービスとして,uGrid 環境におけるユーザ主導による次世代の映像配信システムの提案を行っている.本稿では,uGrid における映像配信がリアルタイムかつ安定した映像伝送を必要とすることから,GMPLS を用いた光パスを利用することによる映像サービスパーツ接続を行う映像配信ネットワークを提案する.さらには,提案ネットワークにおける光パスを利用したサービスパーツ間接続のエミュレーションとして,レイヤ2 スイッチを用いたGMPLS によるVLAN パス構築を行い,光パスによるサービスパーツ接続の可能性を示す.

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タイトル: 全光ネットワークにおける四光波混合を考慮した分散波長割り当て方式

著者: 山下洋史, 入江一樹, 荒川豊, 岡本聡, 山中直明

要約: 全光ネットワークにおける四光波混合の影響を考慮した分散波長割り当て方式を提案する.提案方式では,送信ノードは経由する各リンクの波長使用状況をもとに使用可能波長を算出し,各使用可能波長から隣接の使用波長との距離を求め,最適波長を求める式を定義することにより,使用する波長の間隔を広く保つように波長を割り当てていく.波長間隔を広く保つことにより,隣接する波長利用を避け,四光波混合の発生を抑制することが可能となる.計算機シミュレーションにより特性評価を行い,提案方式におけるブロック率が理想値に近付いたことを明らかにした.

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タイトル: アクティブ光アクセスネットワークにおけるTCPスループットを考慮したパラメータ設計および動的スロット割当

著者: 芦沢國正, 徳橋和将, 菊田洸, 石井大介, 荒川豊, 岡本聡, 山中直明 (慶大)

要約: 我々は,次世代アクセス網として,光スイッチを用いた新たなアクティブ型光アクセスネットワークActiON(Active Optical Network)を提案している.ActiONでは,固定長のスロットと呼ばれる時間単位でデータを送信するため,本論文では,上位TCPへの影響を考慮し,スロット数や送信周期のパラメータ設計を行なう.また,柔軟な帯域割当を実現するために,周期的に割当スロット数を変化させる動的スロット割当方式を提案し,シミュレーションによる評価を行った.

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タイトル: uGridにおけるセキュリティを考慮したマルチサービス映像配信ネットワークの提案

著者: 須佐雄輝, 岡崎裕介, 碓井亮太, 荒川豊, 岡本聡, 山中直明

要約: IPv6 に代表されるユビキタス社会の到来により,あらゆるものにIP アドレスが付与され,ネットワークに接続される世界が想定される.近年,上記の想定をもとに,ユビキタスグリッドネットワーキング環境(uGrid) が考えられている.uGrid では,IP アドレスの付与された世界中のあらゆるものをサービスパーツと定義しており,ユーザは,自由にネットワークを介して世界中のサービスパーツから所望のパーツを検索し,各サービスパーツを組み合せることで自らの欲する分散システム,サービス,ワーキング環境を構築する.そこで,本研究では,従来のテレビ視聴のような一方向的な配信システムとは異なり,多様なQoS(Quality of Service) の映像視聴要求に対応が可能となるuGrid サービスとしてのマルチサービス映像配信ネットワークについて提案する.さらに,映像配信における個人プライバシーの保護や,uGrid における家庭用ゲーム機およびCell Broadband Engine (Cell) の増加を考慮し,配信システムの一部分としてPLAYSTATION 3 (PS3) を用いた映像のフィルタリング伝送システムの構築を試みた.それにより,PS3がuGrid における映像配信のサービスパーツとして機能することを確認した.

B4の米澤さんがCS研究会において発表を行いました。

B4の米澤さんが,3月に岐阜で行われたCS研究会で発表しました.
発表者,タイトルは以下のとおりです

タイトル: 広域レイヤ2 ネットワークにおける遅延揺らぎの小さいキューイング方式

著者: 米澤和子,寺澤緑,西田昌弘,清水翔,荒川豊,岡本聡,山中直明

要旨: 近年,広域イーサネットが普及している.広域イーサネットとは,LAN(Local Area Network) 技術を拡張したもので, 離れた2 拠点間のLAN をイーサネットを用い接続した技術である.広域イーサネットにおいてリアルタイム性を重視するアプリケーションを実現するためには,スイッチにおいて帯域・遅延・遅延揺らぎを制御可能なキューイング方式が必要である.各キューにDeficit Counter(DC) を設置し,帯域・遅延の制御を行うDeficit RoundRobin(DRR) 方式は,リアルタイム性を重視するアプリケーションに多大な影響を及ぼす遅延揺らぎに関しては未考慮であった.そこで本提案では,帯域・遅延・遅延揺らぎを同時に制御する,Loan-Deficit Round Robin 方式を提案する.本方式は各キューにDC の他に最大遅延を制御するためのLoan Counter(LC) を設置することにより,帯域・遅延の他に遅延揺らぎを制御するキューイングを可能とする.また計算機シミュレーションにより,L-DRR の帯域・遅延・遅延揺らぎ制御の効果を証明する.

慶應大学山中研究室と光アクセス網の共同研究をしている日立製作所が10G-EPONを用いた映像通信システムの試作・データ通信に成功し、報道発表を行いました。関連記事が日経産業新聞、日刊工業新聞、電波新聞などに掲載されました。

慶應大学山中研究室と高速スイッチを用いた光アクセス網の共同研究を行っている日立製作所が10G-EPONを用いた映像通信システムの試作を行い、HD(高精細画質)映像の双方向通信に成功したことを報道発表しました。
掲載された記事の一覧は以下の通りです。

<新聞>

  • 日経産業新聞 (11面)
  • 日刊工業新聞 (24面)
  • 電波新聞 (1面)
  • フジサンケイビジネスアイ (18面)
  • 化学工業日報 (5面)

<ネット記事>

グローバルCOE拠点(日本-ベルギー)間の国際キャンパス間相互接続に世界に先駆け成功~リアルタイム連携に向けた自動イーサネット仮想網設定技術の相互接続~がプレスリリース(3月6日発表)に掲載されました

慶應義塾大学理工学部情報工学科山中直明研究室(以下「慶應義塾大学」という。塾長:安西祐一郎)とベルギーのゲント大学情報工学部(以下「ゲント大学」という。学長:Prof. Paul Van Cauwenberge)は、遠隔拠点間においてネットワーク環境の違いを意識せず利用可能な情報共有空間を提供する技術として、遠隔ネットワークを自在に制御可能な自動回線設定プロトコルGMPLS RSVP-TEを拡張利用してキャンパス間仮想イーサネットの相互接続実験に世界に先駆け成功しました。
今回の共同実験は、慶應義塾大学が文部科学省の支援の下で進めているグローバルCOE(Center of Excellence)プログラム「アクセス空間支援基盤技術の高度国際連携」(拠点リーダ:大西公平)の海外連携パートナーの1つであるゲント大学との共同研究の枠組みの下で実施したものです。
なお、2009年3月10日(火)に開催する本グローバルCOEシンポジウム(別紙参照)の会場(慶應義塾大学三田キャンパス北館)において、キャンパス間相互接続を実演する予定です。

慶應大学山中研究室,NICT,KDDI研究所が 共同で複数キャリア間のイーサネットVLANの自動相互接続に成功し、関連記事が日経産業新聞、電波タイムズに掲載されました。

慶應義塾大学山中研究室は、情報通信研究機構(NICT)、KDDI研究所と共同し、LANの標準規格イーサネットである拠点間を結ぶ、イーサネットの仮想専用線を自動で相互接続する技術を開発し、日経産業新聞(2008年12月19日)、電波タイムズ(2008年12月19日)に掲載されました。

岡本先生の10GbE 光レイヤプロテクション評価のレター論文がIEICE 英文論文誌3月号に掲載されました

岡本先生のレター論文が電子情報通信学会英文論文誌2009年3月号に掲載されました。
論文概要は以下の通りです。

IEICE Transactions on Communications, Vol. E92-B, No. 3, pp. 1017-1019, March 2009.

タイトル: “Frame Loss Evaluation of Optical Layer 10 Gigabit Ethernet Protection Switching using PLZT Optical Switch System”

著者: Satoru Okamoto, Sho Shimizu, Yutaka Arakawa, and Naoaki Yamanaka

要旨: Frame loss of the optical layer protection switching using Plum bum Lanthanum Zirconium Titanium (PLZT) optical switch is evaluated. Experimental results show that typically 62us guard time is required for commercially available non-burst mode 10 Gigabit Ethernet modules.

よろしければ、山中研の研究業績もご覧ください。

石井君と岡本先生のiPOP2006におけるGMPLS相互接続実験に関する論文がIEEE Communications Magazine 2月号に掲載されました。

NTTの今宿さん(現NTTコミュニケーションズ)と共著の石井君と岡本先生論文がIEEE Communications Magazine 2009年2月号に掲載されました。
論文概要は以下の通りです。

Magazine: IEEE Communications Magazine, Vol.47, No.2, pp.168-175, February 2009.

Title: Multi-Area MPLS/GMPLS Interoperability Trial Over ROADM/OXC Network

Authors: Wataru Imajuku, Eiji Oki (NTT Laboratories), Rajiv Papneja (Isocore), Shinichiro Morishita (TOYO Corporation), Kenichi Ogaki, Masanori Miyazawa (KDDI R&D Laboratories Inc.), Keiji Miyazaki (Fujitsu Laboratories Ltd.), Hiroaki Nakazato (Fujitsu Ltd.), Hidetsugu Sugiyama, John Allen (Juniper Networks), Shinichi Hasegawa, Nobuhiro Sakuraba (ITOCHU Techno-Solutions Corporation), Itaru Nishioka (NEC Corporation), Shoichiro Seno (Mitsubishi Electric Corporation), Yoshihiro Nakahira (Oki Electric Industry Co., Ltd.), Daisuke Ishii, Satoru Okamoto (Keio University), Tara Van Unen (Agilent Technologies, Inc.), Mark Blumhardt (Alcatel USA Inc.), Hari Rakotoranto (Cisco Systems, Inc.), Vijay Pandian (Sycamore Networks)

Abstract: This article describes the first multi-area Multi-Protocol Label Switching (MPLS) and Generalized MPLS interoperability trial over Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer (ROADM) and Optical Cross-Connect (OXC) network. The interoperability trial demonstrated the routing of Label Switched Paths (LSPs) over a multi-area GMPLS controlled ROADM/OXC network and the control of Ethernet over MPLS (EoMPLS) transport service on top of the GMPLS network. The trial was conducted using various network elements provided by 14 institutions and was carried out at Tokyo and Virginia. This article introduces the motivation of the trial, technical issues related to controlling multi-area MPLS/GMPLS networks, test network topology, and experimental results. The results show that the interior gateway routing protocol based multi-area routing architecture is a promising solution for the nationwide deployment of GMPLS networks within a carrier domain. Furthermore, this article discusses the technical issues of routing constraints in ROADM/OXC networks and the limit of multi-area routing without Path Computation Element Protocol (PCEP).